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活動報告(平成29年度日本医師会女性医師支援センター事業 北海道・東北ブロック会議)
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活動報告(平成29年度日本医師会女性医師支援センター事業 北海道・東北ブロック会議)
平成29年度日本医師会女性医師支援センター事業 北海道・東北ブロック会議
標記会議が平成29年12月3日(日)に盛岡市のホテルメトロポリタン盛岡で開催され、山形県医師会からは、間中英夫常任理事と神村裕子常任理事が出席しましたので、当日の内容をご報告いたします。
本会議は各道県の女性医師支援の取組みについて発表するとともに、毎年議題を決めディスカッションをし、女性医師が働きやすい勤務環境になるよう議論を行う会議となっております。今回の議題は「医師の働き方について(病児保育等の保育制度を含めて)」でした。
岩手県医師会望月泉常任理事より開会の挨拶、日本医師会今村定臣常任理事より、「女性の働き方、あるいは医師の働き方については国を挙げての課題となっており、女性の医師がどのように働いていくか、政府の中でも重要な状況である。日本医師会としては厚労省の委託事業として女性医師支援センター事業を運営しており、また、医師の働き方検討委員会を設置、厚労省の医師の働き方改革に関する検討委員会にも参画し、より一層の努力をさせてもらっている。今後も北海道、東北ブロックの各医師会においてもより一層のご協力を賜りたい。」との挨拶がありました。
また、岩手県医師会石川育成会長(増田友之常任理事代読)より、「女性医師を取巻く環境は依然厳しく、医師の不足偏在により長時間労働が直ちに是正される現状ではない。今後も日本医師会女性医師支援センターが中心となり、女性医師の支援を推進してもらうことを強く願う。本日出席した皆様が各道県の女性医師支援を牽引し、そしてその取組みが全ての医師の働きやすい勤務環境に繋がることを期待する。」との挨拶がありました。
以下、議事の内容です。
議 事
(1)日本医師会女性医師支援センター事業について
・日本医師会女性医師バンクを説明。体制変更後は、求職者の新規登録数、求人施設の新規登録数、就業成立件数共に増加している。
(2)女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告について
・女性医師の勤務環境の現況に関する調査結果を報告。
・職場の男女共同参画や育児支援への意識は高まっている一方、家庭内ではまだ女性医師だけへの負荷が大きいようにみえたなどの報告があった。
(3)各道県における取り組みについて
北海道:女性医師等支援相談窓口の実績について説明。
相談内容の事例、復職サポート事業について説明。
若手医師自らセミナーを企画し、開催した。
青森県:女性医師だけでなく勤務医のワークライフバランスの改善や就労支援の施策を検討している。
「赤いりんご」と称し女性医師にニュースレターを送付しており好評である。
秋田県:勤務環境に関するアンケート結果については、許可をもらった病院については病院毎にホームページに掲載している。
現在もイクボス宣言については積極的に取組んでいる。
宮城県:医師を目指す高校生への講演会を実施。講演会を聞いた約7割の生徒が医学部へ進学している。
イクボス大賞、特別賞の制定。
山形県:山形県は働く女性の割合が全国で2位であり、今後も働き方についてしっかり検討していかなければならないと考えている。
女性医師インタビューを実施し、経験談などをホームページに掲載している。 発表スライドは
こちら
福島県:イクボス宣言を作成して、研修会等で配布し周知に努めていく。
今後、県内の子育て世代の医師の勤務実態や、どのような支援を求めているのかを 把握し、医師支援活動に反映していく。
岩手県:専門医取得と子育ての両立は難しいのではないかという意見があった。
他県では保育相談員が医師会に常駐しており、岩手県でも常駐させたい。
(4)フリーディスカッション
テーマ:「医師の働き方について(病児保育等の保育制度を含めて)」
Q:女性医師の勤務環境の現況に関するアンケートはサブ解析が今後できてくるのか。小さい病院と大きい病院の格差が明確になるのではないか。
A:現時点ではできていない。8年前と今との子育て環境が変わっているかは年度内に完成する予定。都道府県別データも検討している。
意見:是非、施設毎の格差も調査してほしい。
意見:みんなで子育てをする環境作りが大事である。小学校、中学校のうちから乳児と触れ合う機会を設け、命の大切さを学ぶことが良い。
Q:アンケートで整形外科と形成外科が一緒になっているがどれくらいの割合か。また、働き方が全く違うので、整形外科の働き方を反映する数字ではないのではないか。
A:専門医の基本診療科別に分けている。詳細分析の際は別々にする。
Q:勤務時間の定義について教えてほしい。また今後明確化する予定はあるか。
A:働き方改革のための検討会でも争点になっている。診療時間だけなのか、カンファレンスなども含まれるのか、複雑なところがある。
Q:育児支援相談員を常駐している県があるが、その雇用主は誰になるのか。専任でいるだけの仕事量があるのか。
A:財源は、地域医療再生基金を活用し、現在は地域医療介護総合確保基金を活用している。相談員は2名で、子育て支援に携わっていた行政の方を雇用している。
A:地域医療介護総合確保基金についての補足で、地域医療ビジョンを作る際に消費税増税分を充てて都道府県に配った基金であり、都道府県がそれぞれの実情に合わせて様々な事業を組むことができ、群馬県や山口県はそのような事業を組んだのだと思う。
A:地域医療介護総合確保基金は3年間が猶予だが、その後も県から補助金がでており、行政と一緒になって育児支援の運営を行っている。
Q:地域医療介護総合確保基金についてもっと詳しく教えてほしい。
A:地域医療介護総合確保基金については、地元の医師会等関係団体と意見交換をして要望を出すよう国の条件に入っている。医師会からの要望を受けて事業化するのが基本である。3分の2は国が出し、3分の1は都道府県が負担するところから始めている。国の補助が終われば、全額負担する都道府県もある。
意見:自治体ともっと接点を持って具体的な提案をしていかなければならない。
(5)その他
①平成29年度女性医師支援事業連絡協議会(平成30年2月14日・日本医師会館)における女性医師支援センター事業ブロック別会議の報告について
・山形県医師会神村先生・岩手県医師会梅邑先生に決定
②平成30年度日本医師会女性医師支援センター事業 北海道・東北ブロック会議の開催県について
・宮城県医師会が担当開催県に決定
・標記会議に参加して
間中常任理事
北海道や青森県は女性医師支援に積極的であり、また秋田県、岩手県、宮城県もそれなりの活動をしている。山形県の女性医師支援活動には検討を要すと思われた。
神村常任理事
この、医師会による女性医師支援は、これまで主として保育支援と復職支援を二本柱として議論されてきました。最近は専門医資格取得などのキャリア形成の支援と、働き方改革に即したワークライフバランスの尊重に軸足が移ってきております。このような事業には行政からの財政的支援が必須で、それを引き出すには医師会のまとまった組織力が必要です。また、保育の確保と病児保育は医師に限らず全ての職種のワーキングマザーが直面しており、医療界の枠を越えて医師会がリードすべきでしょう。
ブロック会議で発表された「女性医師の勤務環境の現況に関する調査」の詳細は日本医師会女性医師支援センターHPから見ることができます。
https://www.med.or.jp/joseiishi/shiryo.html
また概要版はこちらです。
https://www.med.or.jp/joseiishi/h29wd_survey_summary.pdf
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